雑感
home exhibition book music movie links bbs note mail
2004.2.24
Machines|Maschinen 写真集
Machines|Maschinen
Thomas Ruff
2004年 Distributed Art Pub Inc amazon
またしても立ち読み本。トーマス・ルフの最新作。
この写真集の古めかしい機械の写真は、デュッセルドルフにある機械工場のコマーシャル冊子用のネガを元に、トーマス・ルフが加工した作品とのこと。
「Nudes」 とか「基層」 のシリーズに比べると、ぱっと見地味に見えてしまうが、微妙に着色され背景から際立たされた機械たちの存在感が何か不気味な感じがする。
カーキグリーンや鈍い茶色と機械の形態から、例えば戦車とか戦闘機を連想してしまうのかもしれない。

他のベッヒャー・シューレと比べて、ルフは実に多彩な、そして一見ヘンテコなシリーズを制作している。
著名な写真家であるルフの、こうした活動からは常に刺激を受ける。
 
2003.10.15
Notsofareast 写真集
Notsofareast
Olivo Barbieri
2002年 Donzelli Editore amazon
渋谷Logosで立ち読みしてて興味を惹かれる。
photo-eyeにサンプル画像を発見。(表紙の写真の下の"BookTease"をクリックすると何枚か観れます。)
建築物や都市風景が撮影されたこれらの写真は、どれも不自然な方向の面でピントが合っていて、そのピントが合っている部分も非常に狭い。
恐らくその効果のためだろうが、それらの写真は、模型の都市を接写したかのように見える。
写されたであろう被写体は明かに実際の建築、都市なのだが、撮られた写真(写真集だから当然さらにその複製物なのだが)を観た時に模型の建築、都市を観るようなウソっぽさを感じてしまう。
それと似たような感じを受けたのは、Thomas Demand(室内風景の模型を紙で作り、それを撮影して写真作品としている)の写真だ。
Demandの作品については、グラフィックのようなフラットな画面についての印象と、被写体である模型についての印象と、模型のモデルとなっているであろう実際の風景についての印象がかなり混乱させられ、その点が魅力的だと思う。
Olivo Barbieri はDemandとはちょうど逆の(実際の風景を模型のようにみせるという)手法によって、Demandの作品と同じような効果を観る人にあたえているように思える。
 
Tuscany 写真集
Tuscany
Joel Meyerowitz
2003年 Sterling Pub Co Inc amazon
上の「 Olivo Barbieri / Notsofarest 」の隣に置いてあったのがジョエル・マイヤヴィッツの(たぶん)新作。
イタリアのTuscanyという地域を撮影した風景写真が季節ごとに並ぶ。
まず、この写真集の恐ろしく精緻なカラー印刷に驚く。
この手の、大型カメラで撮影した風景写真については、印刷のクオリティで観る側の印象はかなり変わるんだろうなあ。
あまりに被写体を精緻に描写しているために、人間が知覚するところの現実とはまた違うものに見えてしまう。
映像のもついかがわしさみたいなものについて何となく感じていたところに、先のOlivo Barbieriの写真集と対比しながら観れたのが興味深かった。
 
2003.10.19
広告批評 No275 '03.10 雑誌
広告批評
(No275 '03.10)特集 ドキュメンタリー
マドラ出版 出版社
原一男のインタヴューが載っていると聞き、購入。
「ゆきゆきて神軍」制作のエピソードが、ドキュメンタリーを観ることについて考える上で非常に興味深い。
ビデオを先に観てから、これ読むべきだろうなあ。
眼から鱗です。
 
2003.10.16
遠・近 ベッヒャーの地平 ドイツ現代写真展 遠・近 ベッヒャーの地平
深川雅文、ズザンネ・ランゲ、清水譲、ルペルト・プファブ、山本和弘、千葉成夫、ヴルフ・ヘルツォーゲンラート(著)
1996年 川崎市市民ミュージアム
川崎市市民ミュージアムにて購入。
同ミュージアムにて1996年に開催された、ドイツ現代写真展(ベルント&ベッヒャー、ハイナー・シリングらが出品)のカタログで、展覧会カタログには珍しくB5サイズ、ハードカバーで、論文集という形をとっている。
内容も同展の解説というよりは、ベッヒャーとその後のドイツ写真について論述されていて、現代写真に影響力のある彼らの作品、思想について考えるための資料となる。
それまでの写真の表現主義的な要素を排除したベッヒャーのタイポロジーと、かつてベッヒャーの学生であった現代ドイツの写真作家達の作品を比較してみる、あるいはニュー・トポグラフィクス展以降のアメリカのランドスケープ写真との比較をしてみるのも面白いかもしれない。
ちなみにブック・デザイン はパピエ・コレ(長澤均+坂本和敏)で、川崎市民ミュージアムのカタログの多くを手がけている。
音楽誌ele-kingのデザインが記憶に残っている。
(C) Shingo Suziki